山一つ向うまで出かける主人は、太郎冠者と次郎冠者に留守番をいいつけます。主人は二人に桶を見せ、この中には附子という毒が入っていて、その方から吹く風にあたっただけで死んでしまうしまうくらいだから、絶対に近づかないようにと言い置いて出かけます。しかし、だめだと言われると、やってみたくなるのが人情。
二人は、こわごわ桶に近づき、中を覗き込みます。すると、中身は附子ではなく、おいしそうな砂糖だったのです。二人は我慢できず、つい砂糖を口にしてしまい、とうとう全部平らげてしまいます。そして、言い訳のために主人秘蔵の掛け軸や、天目茶椀を壊して、大声で泣きながら主人を待ちます。二人は、驚き怒る主人に、わけを話すのですが・・・。
一休さんの頓知ばなしとしても登場する有名な狂言です。