松本 薫(まつもと かおる)

imatsumoto
1951年3月24日生まれ
四世千作に師事

十二世 茂山 千五郎(四世 千作)の芸に惚れ、現在で言うところの「追っかけ」をしているうちに入門を決意。
1974年 立命館大学在学中に十二世茂山 千五郎(四世 千作)に入門。23歳の時 狂言『瓜盗人』のアドで初舞台。以来1988年に『三番三』1993年に『釣狐』1996年に『花子』を披く。
海外公演にも多数参加している。
1984年には、同門の網谷正美と丸石やすしと共に「三笑会」を結成。27年間、年5回の「狂言三笑会」(発足当時は「狂言勉強会)開催し、2011年のファイナル公演まで131回数を重ねた。
狂言ファン出身ということもあって、常に観客の気持ちを大事に考える姿勢は舞台のみならず、随所で垣間見ることができる。誠実な人柄が反映されてか、舞台に堅さが感じられた時代もあったが、年齢を重ねトレードマークの〈笑い顔〉と共に親近感溢れる舞台でファンの心をつかんでいる。
師 千作を永年の目標としながらも日々自分自身の狂言を研究、精進を続けている。

◎能楽協会会員
◎日本能楽会会員
◎重要無形文化財保持者総合認定
◎京都能楽会会員

趣味:コーヒーを飲みながら、ぼうっとしていること
好きな物:スイカ他果物全般・いろいろなスープ・チョコレート
嫌いな物:金に汚い卑しい奴・ゴキブリ・蛾 他たくさんの虫
尊敬する人:四世茂山千作・観世寿夫
好きな狂言:『福の神』・『靭猿』・『文蔵』・『文荷』・『右近左近』

<千五郎家楽屋話>(聞き手・西村彰朗)
「三笑会」の3人が合わせて200歳になるのを記念して、平成28年春、久しぶりにホームグラウンドの京都府立文化芸術会館和室で5夜連続の狂言会を開いた。
その発案者がこの人である。網谷も丸石も「そら面白い」と即座に賛同した。
「皆、好きでこの世界に入ったけど、当時は狂言に人気がなく、ここまで続けられるとは思ってもいなかった。まして一門の弟子が自分たちの会を持てるなんて…。応援してもらったすべての方々へ恩返しのつもりで」
ほかのふたりと同様、自身もこの会で『三番三』『釣狐』『花子』の大曲を披く。好きな役は『蝸牛』の太郎冠者などわりと気楽な役柄というが、堅実で律義な独特の芸風は今や千五郎家の狂言に欠かせない。

<落語作家・小佐田定雄評>
愛称は「まっちゃん」。
おだやかな笑顔が魅力的で、舞台に登場するだけで春風が吹いてくるような感じがするのです。
大学二年のときに見た千作(当時は千五郎)の狂言に魂を奪われ、お稽古に通うようになり、やがてプロの狂言師として正式に入門を果たしました。
今や役者としても重要な位置を占めるようになってきています。

1951年 3月24日生まれ
1974年 十二世 茂山千五郎(四世 千作)に入門
『瓜盗人』アドで初舞台
1984年 金剛能楽団の一員としてアメリカ・カナダ諸都市 公演参加
同門 網谷正美・丸石やすし と共に「三笑会」を結成。
京都府立文化芸術会館主催 「狂言勉強会(後の 狂言三笑会)」を年間5回公演
1988年 『三番三』披く
1993年 『釣狐』披く
1996年 『花子』披く
1999~
2003年
フランス政府文科省・パリ市立劇場の後援を受け、日・中・仏の古典芸能による
コラボレーション作品「MONNAIE DE SINGES」を制作。
スペイン・ポルトガル・フランス・カナダ各地で公演
2004年 三笑会 第100回記念公演
2006年 平成17年度京都府文化賞功労賞受賞
2016年 「狂言三笑会ー三人あわせて200歳」5夜連続公演を催す