財宝(ざいほう)

金持ちだが吝い「財宝」という名の祖父をもつ三人の孫が、名をつけてもらい、引出物にあずかろうと相談し、酒をもって訪れ、長寿にあやかって名をつけてほしいと頼みます。

祖父はそれぞれに「興がり」「ま興がり」「面白う」とつけ、一〇〇貫ずつの祝儀を与えます。酒宴となり、祖父も興にのり、たどたどしい足どりで舞います。そのあと、それぞれ名前をしっかり覚えるよう、孫の手車に乗り拍子にかかって名を呼び、答えさせながら賑やかに入ります。
長寿の老人に名付け親になってもらうという風習を題材にした狂言です。