クラファン「狂言の至宝を後世へ」作業報告(1)

今回は修復した台本のうち当家で通称「真一本」と呼んでいる狂言台本について紹介します。


(修復前の真一本)

「真一本」とは茂山真一(三世千作)が35年かけてまとめた狂言の台本です。千五郎家ではそれまで茂山正乕が江戸で修行中に家元から拝領した「虎寛本」の写しを使用しておりました。しかし、時代と共に変わってきている部分もあり、定本を作った方が良いということでまとめられ、現行曲182番を収録、番外曲も別冊になっています。現在千五郎家ではこの台本が基礎になっており、これまで現役で使用されてきました。


*茂山真一 ・・・ 十一世千五郎(三世千作)明治29年〜昭和61年、現千五郎の曽祖父


(真一と現千五郎)

台本は長年使用してきたため、紙破れなど痛みが生じてきておりました。また地震や火事などで被災してしまった際に貴重な資料が失われてしまわないためにも、今回台本の修復のみでなく、デジタルアーカイブ化を実施いたしました。

次回は修復過程の様子をお届けします。

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