三世 茂山 千之丞(しげやま せんのじょう)

idoji
本名:茂山 童司(しげやま どうじ)
1983年4月2日生まれ
あきらの長男


3歳の時、父あきらの主宰する「NOHO(能法)劇団」の『魔法使いの弟子』にて初舞台。また、狂言『以呂波』にて初シテを勤める。
1995年に、茂、宗彦、逸平が結成した「花形狂言少年隊」に入隊、共に活動する。最年少ながら色々な役に積極的に取り組んだ。また2000年より「心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=TOPPA!」を千三郎、正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、逸平と共に主催し、活動。
2006年より「HANAGATA」を正邦(現 千五郎)、宗彦、茂、逸平と共に再開。2020年からはHANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」として活動している。
他に時代劇「かわら版 忠臣蔵」で大石主税役で出演、「Sense Dise:one」に企画・制作・演出・するほか、詩人choriとのユニット「chori/童司」など意欲的な活動をみせる。
アメリカンスクールに通っていたこともあり、英語が堪能なバイリンガル狂言師である。近年はNHKテレビの語学番組「プレキソ英語」に“カウドージ”なるキャラクターでレギュラー出演していたほか、国内外でのバイリンガル狂言公演、また若手アーティストや劇団とのコラボレーションを行うなど表現者としての新境地を切り開いている。
2013年から作・演出を手がける新作”純狂言”集「マリコウジ」、コント公演「ヒャクマンベン」を始動。
2018年 三世茂山千之丞を襲名

趣味:楽器制作
好きな物:タオルケット
好きな言葉:残念・お休みやす・どーもです(全て口グセ)
好きな狂言:『平忠恋狂』『流れ星X』『かけとり』『神棚』『死神』

<千五郎家楽屋話>(聞き手・西村彰朗)
三十にしてふたつのプロデュース公演を立ち上げた。ひとつはコント芝居の「ヒャクマンベン」。もうひとつが新作狂言の「マリコウジ」。舞台にかける作品はいずれも童司自身の作・演出。年1回のペースで開く。
十代の少年隊やTOPPAのころを振り返って「人気だけが先行して、ロクに稽古もできなかった」。狂言ブームの去った今を「自分の腕を磨く時間と余裕がたっぷりある」と前向きにとらえ、行動に移している。 
千五郎家には180番ほどの狂言が伝わる。「でも繰り返し上演できているのは六十番くらいでしょう。時代が変わり、上演できないような作品も多い」という。とくに「マリコウジ」では“50年、100年先の古典”を目ざした新作づくりに力を入れる。
「HANAGATA」では最年少だが、4人の仲間からは「知識量は一番」と評価が高い。舞台で気づいたことを遠慮なくズバっと指摘するのは祖父譲りか。作品の執筆、演出とともに、古典の稽古にも時間を。近い将来に三代目千之丞襲名が待っている。

<落語作家・小佐田定雄評>
ご存じバイリンガル狂言師。ちょっと散歩するような調子で平気で世界を股にかけて歩き回ってきました。そのため、いまだに日本語より英語のほうが達者で寝言も横文字で言うとの「伝説」があります。
「お兄ちゃん」たちに比べると幼さが残っていたのは数年前までのこと。近ごろは一人前の役者として童司ならではの独自の世界を確立しました。舞台で見せる動きや表情が、ときとして父のあきらに生き写しであることが誇りであり、悩み(?)でもあると聞きました。
オシャレな眼鏡を愛用していて、煙草も手巻きを愛用するなど、ちゃんとこだわりを持っている男でもあります。
名前をローマ字で表記すると「DOJI」となりますが、決してドジな男ではありません。

1983年 4月2日 茂山あきらの長男として生まれる
1986年 能法劇団『魔法使いの弟子』にて初舞台 。
『以呂波』の初シテを勤める
1995年 花形狂言少年隊に入隊
1997年 『千歳』を披く
1998年 南座「かわら版 忠臣蔵」に大石主税役で出演
2000年 ひとり芝居”Sence Disc:one”企画・制作・演出・主演のひとり四役をこなす
2004年 『三番三』を披く
2006年 『釣狐』を披く
2012年 NHKの語学番組「プレキソ英語」に進行役”カウドージ”でレギュラー出演
2015年 オペレッタ「メリーウィドウ」の脚本・演出
2018年 三世 茂山 千之丞 襲名
『花子』を披く
2019年 平成30年度京都府文化賞奨励賞受賞