1975年6月4日生まれ
二世七五三の長男
4歳の時『以呂波』のシテにて初舞台。その後『千歳』『三番三』を披く。
1994年に従兄弟の茂山 茂・弟の茂山 逸平 らと共に「花形狂言少年隊」を結成。旗揚げ公演以来、若い世代に照準をあわせた「花形狂言少年隊」の活動は、若者を中心とした観客に熱烈な支持を得てNHKの番組「トップランナー」にも取り上げられた。
1995年、東京にて狂言小劇場の公演を正邦(現 千五郎)・茂・逸平と開始。
フランス・イタリア等の海外公演にも参加。
2000年6月より2005年まで千三郎、正邦(現 千五郎)、茂、逸平、童司と共に「心・技・体、教育的古典狂言推進準備研修錬磨の会=通称 TOPPA!」を主催。
2006年より「HANAGATA」を正邦(現 千五郎)、茂、逸平、童司と共に再開。企画製作そして出演までを自分たちでおこなう「HANAGATA」を通し、狂言の魅力を存分に味わっていただき、自らの芸を磨くことを目的とした。2020年からはHANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」として活動している。
また弟逸平と共に、新作二人芝居 <宗彦、逸平のThat’s Entertainment「おそれいります、シェイクスピアさん」> に挑戦するなど幅広く活躍する。
その他、狂言以外の活動として幻想歌舞伎「土御門大路」、NHKテレビドラマ「京都発ぼくの旅立ち」「ふたりっ子」「終のすみか」「ちりとてちん」「おちょやん」等に出演。ミュージカル「アンネの日記」「ザ・近松」「蜘蛛巣城」「天国を見た男」「大悪名」出演と狂言のみならず色々な方面で活躍。今後の活動から目が離せない存在である。
著書に『茂山宗彦茂山逸平と狂言へ行こう』(旬報社)がある。
趣味:ルアーフィッシング・自転車
好きな物:魚
好きな言葉:ありがとう!!おやすみなさい!!
好きな狂言:上手に出来た時の狂言
<千五郎家楽屋話>(聞き手・西村彰朗)
久しぶりに見た「HANAGATA」が面白かった。80分一本勝負の『おそれいります、シェイクスピアさん』。宗彦演じる座付作者シェイクスピアは机に向かうが、なかなか筆が進まない。座頭(正邦)や二枚目(逸平)、三枚目(童司)、女形(茂)ら一座の面々はイライラを募らせ、あの手、この手を使うが…。
台本にシェイクスピアのセリフはない。宗彦が相手の動き、その場の状況に合わせ即興で作るわけだ。時に引いたり、突っ込んだり。客席は笑いの渦。役とこの人の素顔とがどこか重なっても見えた。「HANAGATA」の仲間は異口同音に「いったんスイッチが入ると、やっぱりすごいわ」と。
これまでテレビ、ミュージカル、現代劇とさまざまな分野で活躍してきた。振り返って本業の狂言は「手ごわい相手です」。
「年がいっても『花子』のような艶っぽい役をカラっとお笑い劇に仕上げる」のが目標というが、一方で「どんな頼みごとにも心広く対応できる人でありたい」とも。千五郎家の分家、その長男の立場も忘れない。
<落語作家・小佐田定雄評>
ニックネームは「モッピー」。
ミュージカルやテレビドラマなど、狂言以外の舞台出演も多く、悩みを内に秘めた屈折した若者という役どころが多いようです。でも、みなさん、眉間に刻み込まれた憂鬱そうな縦じわに騙されてはいけません。素顔のモッピーは、実に気さくすぎるぐらいフレンドリーな「ナイスガイ」なのですから。
狂言師としては、鉢巻をきりりとしめて鬼退治をする凛々しい若武者の役などを得意とする一方で、美女に言い寄られて「デヘヘヘヘ」などとだらしなく笑う男などにもいい味を出します。仲間たちの証言によると、どうやら後者のほうがモッピーの真の姿だというのですが…。
最近の彼の舞台には、なにかがふっきれたように、「さあ、おもろいことをやるでえ」という気合が充実しているようです。
1975年 | 6月4日 大蔵流狂言師 茂山 眞吾(現 茂山七五三)の長男として生まれる |
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1979年 | 『以呂波』のシテで初舞台 |
1989年 | 京都能楽養成会入会 |
1990年 | 『千歳』を披く |
1992年 | 幻想歌舞伎「土御門大路」に出演 大谷友右衛門・中村芝雀らと大阪近鉄アート館・東京ベニサンピットで公演 |
1994年 | 花形狂言少年隊を 茂山 茂・茂山逸平 と結成(2000年まで活動) |
1995年 | 東京博品館劇場にて狂言小劇場第1回公演 同年 祖父 千作(人間国宝・芸術院会員)叔父 千三郎らとフランス公演参加 |
1996年 | 『三番三』を披く 同年 NHKドラマ新銀河「京都発 ぼくの旅立ち」に主演 イタリアジャパンウィーク ベニス公演参加 |
1997年 | NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」に出演 ミュージカル「アンネの日記」に出演 東京芸術劇場、大阪シアタードラマシティー、全国ツアー15ケ所にて公演 |
1998年 | ミュージカル「アンネの日記」に再出演 |
1999年 | NHK BSドラマ 「活動写真の女」に出演 ミュージカル「ザ・近松」に出演 芸術祭参加作品 NHKテレビドラマ「終のすみか」に出演 |
2000年 | 『釣狐』を披く |
2006年 | ミュージカル「天国を見た男」に出演 |
2007年 | NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」に出演 |
2009年 | 『花子』を披く |
2012年 | 文化庁『平成24年度文化庁文化交流使』に指名。 2012年10月〜2013年7月チェコ及び周辺国にて狂言指導や公演等 |
2014年 | 平成25年度 京都府文化賞奨励賞受賞 |
2017年 | 音楽劇「大悪名」に出演 |
2017年 | 日本能楽会会員(重要無形文化財保持者総合認定)となる |
2020年 | NHK連続テレビ小説「おちょやん」に出演 |