蝸牛(かぎゅう)

出羽の羽黒山から出た山伏が、大和の葛城山で修行を終えての帰り道、竹やぶの中でひと寝入りしていると、主人の言いつけで、長寿の薬になるという蝸牛(カタツムリ)を探しにきた太郎冠者と出くわします。

「竹薮には必ずいるものだ」と教えられて来た太郎冠者は、黒い兜巾(ときん)をいただいた山伏を見つけ、すっかり山伏がカタツムリだと信じ、主人のところへ連れて帰ろうとします。
山伏と浮かれているところに、帰りが遅い太郎冠者を心配した主人が、太郎冠者を見つけて「あれは、カタツムリではなく、山伏で売僧(まいす)だ!」と注意するのですが・・・。
太郎冠者の失敗談でありながら、目出度く楽しい狂言に仕上がっています。

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